イントロダクション

いきなり、時間ができて、
妻を無理やり誘って、海外旅行に行こうということに。
実は、パスポートを取得したはいいが、旅行に行く機会が無く、使いたくてウズウズいていたというのが真相です。
ってなことで、HISに駆け込んだのが10月16日火曜日。
19日からの2泊3日の台湾行きを決めました。

今回、台湾行きが決まって、色々ガイドブックを探しましたが、購入したのが「ことりっぷ」。
初心者向けに、凄くツボを突いた本で、情報過多になりがちな中で上手く情報の取捨選択をしていること、地下鉄を含むマップはガイドブックには添付されているんですが、それを取り外すことができ、2冊を別々に開きながら情報を絞り込むことができるのはすごく便利でした。


台北の街、西に淡水河が流れる。
それに面して、龍山寺近辺が最初に街として栄えたと、どこかで読んだ。
だから、淡水河沿いの西側には迪化街も含めて古い町並みが並んでいて。
そこから東へ、今の台北101があるようなところへと街が発展していったんだろうなぁ、と。



街の印象...

そうそう、台北の建物って、2階以上が外にはみ出していて、1階部分はそこが通路になっている。
取り決められたかのように、ほとんどがそうなっていて、それは南国ゆえの暑さ対策なのかなぁ?とも思った。
地下街が多いのも同じ理由からか。

スクーターが物凄く多い。
大きな交差点で、信号が変わると昔の暴走族よりも大人数のスクーター族が飛び出す。
もちろん、それらのスクーターは街のいたるところに大量に駐車されている。
夫婦子供のスクーター3人乗りなんて言うのもザラだ。

いつも食べている。
路地にはテーブルと椅子が置かれていて、昼の2時でも3時でも、誰かがいつも食べている。
でも、酒を飲んでいる人はほとんど居ない。これは意外でした。
皆さんががぶ飲みしていてくれないと、こっちとしても飲みにくいんですが(^^;....

人は勤勉で
ちょっとシャイで
南国の温かさがあって

まぁ、そんなところかなぁ。


10月19日(金)曇り

朝4時半頃に起きて旅行の開始。
7時頃には成田に着き4時間のフライトの後、桃園空港着。
早起きで体調が狂ってボ~っとしている中、桃園空港はやたらと延々歩かされました。
地下鉄MRTで、いざ台北へ!


ホテルは台北駅から徒歩で行ける距離だということは確認していましたが、台北駅から、まずは台北の巨大地下街の洗礼を受けました。
行けども行けども「東南アジア」っていう風景が、しかも地下で展開されている...
地下街を抜け、地上へ。
暑がりの上に大荷物をしょっている僕は惨めなほどに汗だくだが、気温としてはちょうど過ごしやすい感じ。20度くらいかな。
薄手のダウンを着ている人もいるくらい。
僕としてはありえないが。

で..... 
ホテルはすぐには見つかったけど、あまりのボロさに二人意気消沈。
HISの写真では少なくとも2ランクは上のホテルに見えた...
フロントのお兄ちゃんは、その日の人は日本語も英語もダメ、翌日は英語OK日本語ダメから日本語OKにバトンタッチ、最終日は最初の日本語も英語もダメなお兄ちゃんに戻る。
ただ、清掃員でも日本語を話せる人がいたりして、フロントでダメでも何とか意思が通じる。
僕が受けたイメージとしては、片言レベルでは英語よりは日本語の方が通じる。
でも、きちんとした会話となると、人数は少なくなるけど日本語より英語の方がコミュニケーションになる、という感じ。

まぁ、気を取り直し台北へ繰り出しました。
ホテル近くの寧夏路(ニンシアルウ)でショッピングした後、地下鉄に乗って鼎泰豊(ティンタイフォン)という有名な料理屋のある永康街(ヨンカンチェ)へ。
16時だったので、早めだし余裕で入れるか、と思ったらものすごい人だかりで。
30分待ちという表示が出てはいるけど、無秩序に並んでいる人をかき分けて30分で入れる気がせず、流石にこれはやめよう、と。
永康街をぶらぶら歩いて地元風の店に入る。
タラと小籠包風の饅頭を注文、やっとここで台湾ビールで乾杯!!!美味かった。

18時を回ったところで先ほどの寧夏路へもどると3時間前とは全く別のお祭りのような世界に変わっていました。
3~400mあるだろうか、が、店と人で埋め尽くされていて。
う~~ん、これが夜市(イエシー)、台湾の醍醐味なんだなぁ、と、納得。
1件の屋台でサザエやら魚の皮やらを買って食す。
珍味でした!

夜市を楽しんだ後、スタバでトイレを借りて、近場の足裏マッサージを教えてもらい、そこへ。
30分コース、400元だったかな?
僕はそれほどでもなかったけど、妻は随分と効いたみたい。

で、その後、スーパーでビールやらなんやらを買ってホテルへ戻って初日終了。


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そうそう、ここで、台湾のトイレ事情を書いておかなければならない。
日本人にとって、台湾のトイレ事情はかなりの苦痛を伴う。
と、いうか、大で使った後に、トイレットペーパーを便器に流してはいけない、と。
わけ、わかりません。
大、そのものよりトイレットペーパーの方が流れやすいと思うし。
でも、律儀な日本人はそういうことを言われると悩んでしまう。
拭いた紙は便器の横のごみ箱に入れろ、と。
それって、
くっせ~ジャン!
超きったね~ジャン!

何と言われようと僕は便器に流しました。
問題なかったし。

台北では地下鉄が新しく、トイレも整っていて、地下鉄のトイレは紙を流せます(僕の知っている限りでは)。
紙の流せるトイレを把握しておくことは、最重要問題です。
でも、ダメなら詰まらせても流すしかない。
このトイレ問題だけは早急に改善して欲しい台湾の課題だと思いました。
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10月20日(土)曇り

昨日、早々と寝てしまった妻は早朝から散歩。
僕はトドのようにベッドに転がっていて、さすがに妻の帰りが遅くて心配で起き上がったころ、妻が帰ってきました。

朝食を済ませてきたところで龍山寺(ローシャンスー)へ。
台湾でも指折りの由緒あるお寺。
日本のお寺とはやはり違って、右側に滝、左側に静かな池の2つの水場があって、入り口を抜けると無料で線香がもらえます。
逆さに持つ人、やたら線香を振りながら祈る人... 観光客が多く、みんな見様見真似で人のやっていることを猿まねするのでけっこう笑えます(^^;

龍山寺前の公園には地下2階の地下街があります。
ここを訪れる人は占いが目的な人も多いはずだと思いますが、ほとんどの店が日本語可です。
妻は占い、僕はマッサージでした。
妻は、ちょっとカモられた感じの占いだった、と言っていましたが、結構当たっているところもあったみたい。
僕の方のマッサージは絶品でした!!!
日本では絶対ありえないような、ツボを直撃するマッサージで、30分でも1時間以上に感じるほど充実したものでした。
今回、旅の荷物をボストンバッグに詰めて持ってきたので、初日の移動だけで壮絶な肩こりになっていたんですが、嘘のようにほぐれました。

この龍山寺周辺は、台北でも一番古い町並みとのこと。
時間のある人は、龍山寺の周りを一周してみることをお勧めします。
路地や路地の奥、建物や建物の上部に、ディープな、ディーペストな台北を目にすることができるはずです。


さて、龍山寺を一回りして、そこからどうするか...

僕は、結構ランドマークを廻るつもりでEXCELにスケジュール表を作っていたんだけど、妻はもう少しスローな旅をしたいと。
ステレオタイプな自分の考え方に反省させられつつ、歩いて西門町(シーメンティン)まで行くことに。

西門町は台北の原宿と言われるほど若者的な街で、いきなり雰囲気が一変する感じでした。
ここでも街を一通り歩いて、インターネットで検索して梁山泊という屋台風の店へ。
小籠包と肉飯を食べ、台湾ビールで乾杯!
多分同じように検索してくるんだと思うけど、6組中5組が日本人、本当に日本人は多い!
そこから故宮博物館へ移動するつもりでいたんですが、「肉や白菜を模った宝石が、本当に見たいか?」という根源的な疑問に立ち返り、そこに半日を費やすならもっとディープな台北が見たい、ということに。

だったら、と、西門町から北上して迪化街(ティーホワチェ)へ。

迪化街、ここがまた面白くて。
非常にザックリ説明すると、南北に長く、南半分が布の町、北半分が漢方の町。
妻はライブの衣装用に色々布地を見ていたようでしたが、布にも漢方にも興味のない自分は、ただ街並みの面白さを堪能しました。
洋風な建物が並ぶ街並み、店は奥が深いらしく向こうに中庭が見えたり。
古からの商業の中心地、というのに納得がいきました。

迪化街を歩いている時、妻の携帯へ妻の姉からメールが。
台湾茶の有名な問屋があるので、時間があったらお茶を買ってきてほしい、と。
調べてみると徒歩圏内。
姉ちゃん(普段はそうは呼んでいません(^^; )ナイスタイミング!!!

ということでお茶問屋、林華泰茶行へ。
凄い大きい問屋。
これまた、お茶にあまり興味のない(つまらないやつですみません)僕はぶらっと奥へ入ると鯉がたくさん泳ぐ池のある中庭を発見。
鯉たちが、餌のおじさんが来たと勘違いをして口を開けながら寄ってくる。かわいい。
妻がお茶をしこたま買い込む。
ちなみにここは日本円での支払い可。

荷物を置こうとホテルへ向かう帰り道、いわゆる野外音楽堂のようなスペースで、京劇とは違うんだろうけど、あんな感じの、昔の中国人を題材にしたような劇をやっていて。
もちろん無料。
盛り上がったり驚きの声を上げる現地の方々。
ストーリーも何もわからないけど30分くらい堪能させていただきました。

んで、ホテルへ戻る。
この頃には、最初に感じたホテルの雰囲気が、何となく親しみ深いものに変わっていて。
NHKとか、日本のテレビ番組も結構やっていて暫しまったり。ってか、うたたねすらして。
この日は士林夜市(シーリンイエシー)に行くことは決めていたんだけどなかなか体が動かない。
重い腰を上げて士林に着いたのは19時過ぎ。



祭?
いや、違う。
人は、何でこんなにひとところに集うんだろう、とすら。
2本の放射線状に延びる大通りの間の三角州のような地域。
それが大騒ぎになっている。
人の数も、屋台の数も、尋常ではない。
大騒ぎとは書いたが、狂騒があるわけではない。
整然と、物凄い数の人間が集っていて、食べて、買って、遊んでいる。

僕の住んでいる池上では、お会式という年に一度の祭り(日蓮の入滅=死んだ日なので祭りと呼ぶのが正しいかどうかはわかならい)がある。
30万人が集い、その数日にしかない熱量が突然、簡素な池上に出現する。
ここにはその熱量が無い代わりに、このバケツをひっくり返したような大騒ぎが日常としてある。
今、日本に戻ってこれを書いているわけだけど、あの土曜の夜ほどではなくても、今夜も多くの人が集っていることだろう。
あれこそが、東南アジア独特の開放感なのかなぁ、と。

食事は士林夜市の地下街で取った。
ここ、お勧め。
士林夜市の中心にあって、多分歩いていれば絶対出くわすので、場所を探す必要は無い。

少し前に台湾旅行をしていた姉夫婦から、地下街の黄色い看板の店の牡蠣玉子が絶品!!!との情報を得ていたので、牡蠣玉子目当てで地下街へ。
エレベーター付きの出入り口が3か所あるような巨大な地下街、50店くらいあっただろうか?
一回りして、黄色い看板で牡蠣玉子のある店が4軒。
ど~~れだ~~~!姉ちゃん(普段はそうは呼ばない)、情報、雑いっすよ~!!!
4軒中2件をはしご。
まぁ、でも、どこも美味い!
台湾の牡蠣は小振りだけど、沢山(^^)
肝臓も大喜び!!!

その後も、夜が更けるまで夜市を堪能しました。


10月21日(日)晴れ

この旅行を思い立って、行き先を台湾に決めてから、後悔したことがある。
このところ、胃の調子が悪く、空腹になっても食べたくない、というような状況だった。
中華料理のようなコッテリしたものは特に食べたくなくなる。
旅行中の食事を思うと、気が重かった。

行きの機内食も何とかかき込んだ。
台北に着いて、東南アジア独特の臭いが胃を圧迫して、重苦しいものにしていた。
旅を楽しんでいる妻を目の前にして、「食べたくないんだ」とは、死んでも言えなかった。

それが、前日の昼辺りから、何となく良くなってきた。
この日の朝は、久しぶりに「食欲のある」空腹感を感じていた。

帰国するので、遅くとも14時には台北を出なければならない。
今回のツアーには朝食が付いていて、なぜか妻は朝食を気に入っている。
なので、選択余地のある台湾での食事はあと1回。


ってなことで、最終日スタート。
今日は、特にこれと言って目標はない。
妻が買い物をしたいというので、ガイドに出ていた雑貨屋へ行くことにする。

その前に、まずは北門。
一番近い駅で何度も通過しているのに北門がどこにあるのか知らなかった。
その昔、台北には城壁があったとのことで、唯一残っているのがこの北門。
思っていたよりは小さいけど、良い感じだ。

周囲を歩き回って、勝立生活百貨へ。
3階建て。
妻、熱狂。
僕、3分で飽きる。つまんない奴でごめんなさい。
日本の100円ショップに売っているようなものが多く、小物は新潟県燕市とか、そこらへんのものが結構目に付く。
それらが50元前後だから、日本の100円ショップの価格の倍、ということになる。
「安い」の追求も日本はかなり先進国なんだ、と、変に納得する。
僕には妻の熱狂が理解できず、1時間後にスタバで待ち合わせることにして雑貨屋を出る。

雑貨屋のあるエリアは行天宮(シンティエンコン)という廟のある場所。
解放された僕は行天宮を目指す。

別に何気なく通りすがった場所だけど、台北の風情が路地裏にあふれていて面白かった。
ふらっと寄った松江市場は、1階と地下1階の2階建て、真ん中にスロープがあって、多分観光客は寄らないようなディープな台北を味わえた。

行天宮は、三国志の英雄、関羽を祀った廟。
何故か知らないが、関羽は商売の神様にも祭り上げられているみたいだ。
まぁ、横浜の中華街もどちらかというとそっちだよね。
ここにも地下街があって、日本語も可能な占いもあるようだけど、まぁ、こっちは潜入せず。
ちょっとくらい覗けばよかった、とは、今になって思うも遅し。

待ち合わせのスタバで待つも、なかなか妻、現れず。
その間、台北最後の昼食をとるべく、ガイドブックから近場の台湾料理店を見つける。
10分ちょっとしたところで信号の向こうに妻が現れる。
急いでスタバを出る。
全然時間が足りない、と、妻。
どうやったらあそこでそれだけの時間を使えるんだろう.... とは僕の心の声。

好記担仔麺へはスタバから7~8分の距離。
店頭には、沢山の魚介が展示されていて、その中から好みのものを選ぶ。
演出も、なかなかいい。
上海蟹が一押しのようで、妻が2度断るも、3度目の押しに僕が同意して、妻もやっと折れた。
美味かった。
タラ、美味かったなぁ....
牡蠣、今回で何匹喰っただろう。これも美味かった。
台湾では生ものは食べない方がいいと、事前に言われてはいたけど、やはり四方を海に囲まれた島国。
魚介は美味しい。
日本人としては、できれば生で食べたいくらいだが、まぁでも、生でなくても美味いものは旨い。
十分に堪能した。

3本目の台湾ビールを頼むころには、ウルトラマンであれば、カラータイマーがチカチカいい始めて。
あぁ、この旅も終わりなんだなぁ、と。

この期に及んで、残った手持ちの元の範囲でお土産が買いたい!という妻のために、15分のお買い物タイムを作るべくスケジュールを組む。
お店を出て、地下鉄の駅へ向かう途中に商店街を発見。
結構ディープな市場で解体中の豚に出くわす。

台北駅まで戻って、僕がホテルに荷物を取りに行っている間にも、妻は台北地下街でお買い物。
やっと、念願の自分用のお土産を買えたようだ。パチパチ!!!
重たすぎるバッグを引きずるように、MRTで台北を脱出。

まぁ、このあと桃園空港でひと悶着あるんだけど、そんなところで22日をちょっと回ったころに、自宅に帰ってきました。


やっぱり、旅は面白い。
帰ってきて、不思議なくらい食欲が出るようになった。
これは、まぁ一つのショック療法なのかなぁ、とも。

10年以上ぶりの海外旅行。
失敗談を挙げたらキリ無いけれど、やっぱり、知らない土地、知らない文化を肌で感じることは面白い。
多分、旅慣れていない今の自分としては、ちょっと時間が経つと、じわ~っと良さが染み出して来るんじゃないかなぁ、と。


アウトロダクション

楽しかった(^^)

今回は、古き良き西側を中心に廻りました。
とはいえ、故宮博物院、中正紀念堂、総統府なんかは行けなかった。いや、行かなかった。
九フンも、時間があれば行きたかった。
旅なんて、100%満足しないで、また来よう、と、思うくらいがちょうどいいんだ。ナンテ

最初、観光バスツアーのような気持ちでいた旅が、思いがけずディープな旅になりました。
2泊3日の旅で、二人で使った金額は3万円(両替して7953元)。
それ以外にカードを使えるところはカードを使い、日本円を使えるところは日本円を使ったけど、5万は行っていないと思う。
毎日2万歩くらいは歩いた(妻に至っては3万歩近い日もあった)。
やっぱり、自分の足で歩いて、小さな路地裏に気づいて、そこに分け入って行って、その町、その国の歩みに思いをはせる、それって大事だよなぁ、と。

そんな旅にしてくれた愛する妻の感性にも、感謝感謝。


てっちゃんHPへ